ユーザーインタビュー
ルクセンブルクとイタリアを拠点にする鉄鋼系エンジニアリング会社であるPaul Wurth Italy-SMS group (以下SMS Paul Wurth) 社。同社は鉄鋼及び非鉄金属用途設備の世界トップ企業であるSMSグループの一員として世界約20ヵ国で事業を展開しています。今回は、プラント設計部門の責任者であるFrancesco Scariti氏に、PlantStream導入の背景にあった課題や導入後の成果についてお話を伺いました。
Challenges:
- 2Dでの概念設計は精度に限界があり、無駄や手戻りが多かった
- 複数レイアウト検討に膨大な作業工数がかかっていた
- 3Dモデルでの柔軟な設計変更が可能
- ブロックパターン機能で、機器周りの標準化が可能
- 資材数量の抽出による複数レイアウトの比較検討が容易
- 精度の高い概念設計を迅速に作成できるように
- 機器配置の見直しによる配管再ルーティング業務の工数削減
- 最適なレイアウト選定により資材数量が大幅に削減
エンジニアワークフローを革新!Paul Wurth Italy - SMS GroupがPlantStreamで実現したコスト削減の鍵。
EPCコントラクターにおける設計技術部門の活用インタビュー
ー ご担当されている業務と、御社のプラント設計業務の特徴についてお聞かせください。
プラントの設計とレイアウト検討の全般を担う部門の責任者として、配管・機器・電計・土木といった様々な専門部署の統括をしています。製鉄プラントは様々な設備を限られた敷地内に配置する必要があるため、各設備同士の配置検討やそれに伴う設計変更への柔軟な対応が求められます。
ー PlantStream導入前に感じていた課題をお聞かせください。
精度の高い概念設計をいち早く顧客やサブコントラクターに提示することが重要なのですが、従来は2D図面で作業を行っていたため、干渉エラーが見つけにくかったり、材料の無駄や手戻りが多かったりといった課題があり、2Dでの作業に限界を感じていました。
また、製鉄プラントは様々な設備を限られたスペースで配置するため、複数のレイアウトを検討して最適な配置を見つける必要があるのですが、機器の配置を見直す度に接続する配管を全てモデリングし直した上で資材数量を算出しなければならず、膨大な作業工数がかかってしまっていました。
ー PlantStreamの導入によってどのような変化がありましたか?
PlantStreamに搭載されているブロックパターン機能を用いて機器周りの標準化を行い、各ユニットの配置検討を行った上で配管の自動ルーティングを行うことにより、数週間という短い期間で精度の高い複数の3Dモデルを作成し比較検討できるようになりました。
2Dで設計していた従来より設計の精度もスピードも格段に上がり、3Dモデルでの設計変更にも柔軟に対応できるようになり非常に重宝しています。
実際に製鉄所のガス処理プラントの設計を行った例をご紹介します。このケースでは、熱交換器の配置のやり直しが必要となってしまったのですが、PlantStreamを活用することにより、ほんの数分で新たな配置の3Dモデルを作成できたのです。
それだけでなく、熱交換器に接続するすべての配管を自動で再ルーティングし、2つの異なる配置案のそれぞれについて資材数量を算出して比較検討した結果、 約10トンもの資材数量の削減に繋がりました。
このように、PlantStreamは基本設計の見積入札時の競争力向上に大変役に立っています。正直言って、ここまでできるとは思っていませんでした。
ー PlantStreamを活用した御社の今後のDX展開と、PlantStreamに対する期待があれば教えてください。
PlantStreamという強力なデジタルツールを手にすることができた今、当社は非常に短時間で3Dモデルを作成し、顧客に高い価値を提供できるようになりました。今後は、従来の製鉄プラントのみならず、グリーンスチールや水素関連プラント等、当社にとっての新たな事業領域にもPlantStreamと共にチャレンジしていきたいと思っています。PlantStreamに対しては、土木や構造物の数量算出や、設備配置の提案といった更に高度な機能の実現を期待しています。PlantStreamの発展と共に、当社も更なるイノベーションと顧客への価値提供を追い求めていきたいと思います。