IFP Engineeringグループは、マレーシアを拠点とするエンジニアリングサービス会社です。
約25年にわたり、陸上・海上の石油・ガス、FPSO、化学プラント、そしてカーボンキャプチャー&ストレージ(CCS)など、幅広い分野のプロジェクトを手掛けてきました。
今回は、CEO兼マネージングディレクターのラグナス氏、パイピングチームリードのプニサ氏、そしてプロジェクトエンジニアのスリヴァツソン氏にお話を伺い、デジタル化への取り組みと、PlantStream がプロジェクトの効率化や競争力強化にどのように貢献しているかを伺いました。
エンジニアリングサービス請負企業としての事例紹介
● 3Dモデリングや配管レイアウト最適化を手作業で行っており、多くの工数と労力を要していた。
● MTO(資材数量算出)も要素ごとに手作業で最適化しており、設計変更時の修正に時間がかかっていた。
● 複数の専門分野を効率的に管理するのが難しく、リソース不足が課題となっていた。
● AIや自動化、データ統合を進めてスマートエンジニアリングを目指すIFPのデジタル化の方針とPlantStreamの機能が一致していた。
● ドラフター (3D CAD未経験者)でも簡単に操作できるユーザーフレンドリーなUIが導入ハードルを下げた。
● 従来の3Dツールに比べてコスト面・工数面で非常に高い効率性を実感できた。
● FEEDおよびPre-FEED段階のプロジェクト期間が大幅に短縮され、MTO作成も数週間から数日へ短縮された。
● 異なる専門分野間の連携が円滑になり、限られた人員でもプロジェクト全体を効果的に管理できるようになった。
● 自動モデリングのスピードと高いビジュアル精度が顧客にも高く評価された。
● プロジェクト遂行力が向上し、競争力が向上した。
ラグナス: IFP Engineeringは、マレーシアのクアラルンプールに拠点を置くエンジニアリングサービス会社です。
設立から約25年にわたり、FEED(フロントエンドエンジニアリングデザイン)をはじめ、基本設計、詳細設計、建設マネジメント、各種認可申請などを行ってきました。
オンショア・オフショアの石油・ガス、FPSO、化学プラント、カーボンキャプチャー&ストレージ(CCS)といった幅広い分野をカバーしています。
顧客は、エネルギーや産業分野の大手企業が中心です。
私は化学エンジニアとして日本で学び、日本の大手エンジニアリング会社での勤務を経て、2001年にマレーシアに戻り、IFPを立ち上げました。
プニサ: 私は化学工学を専攻し、これまで17年間にわたり配管応力解析および配管エンジニアリングの分野でキャリアを積んできました。現在は、シニアエンジニアをはじめ、エンジニア、デザイナー、ドラフター、新人研修生やインターンなど、多職種からなるチームを率いています。
スリヴァツソン: 配管エンジニアリングの専門課程を修了し、石油・ガスや化学プラントの設計において、10年以上の実務経験があります。これまで主にグリーンフィールド(新設)案件に携わってきましたが、現在はブラウンフィールド(既設改修)プロジェクトに取り組んでいます。
プニサ: 配管設計チームを率いる立場から言うと、最も大きな課題は3Dモデリングとレイアウト作成における手作業が非常に多かったことです。
PlantStream導入前は、配管要素をひとつひとつ手動で作成しなければならず、膨大な工数がかかっていました。MTOの作成も手作業で、ルート最適化を1本ずつ検討する必要がありました。
こうした作業が全体の設計スピードを大きく制約していました。
プニサ: 当社では「新しいデジタル技術に常に歩調を合わせること」を重要な方針としています。
AIを活用してワークフローを効率化することで手作業を減らし、スマートな自動化とデータ統合で設計精度を高めることを目指しています。
このように、会社全体でプラントモデリングやレイアウト最適化、持続的かつスケーラブルな設計業務の革新を進めています。
PlantStreamの導入もその一環であり、スマートエンジニアリングによって設計品質の向上を図っています。
ラグナス: 信頼できる業界関係者や業界ネットワークからPlantStreamの話を聞き、直接PlantStreamのチームにコンタクトを取りました。機能について理解を深め、社内でトライアルを実施して機能検証を行い、自社プロジェクトへの有効性やどのようにワークフローを改善できるのかを確認して導入を決めました。
プニサ: 最初は、自動ルーティング機能を備えたツールは学ぶのが難しいのではないかと思っていました。
しかし、トレーニングを受けてみると、実際にはとても直感的で使いやすいことがわかりました。 ドラフター(3D CAD未経験者)でも、わずか数日で自信を持って操作できるようになりました。
インターフェースはシンプルで使いやすく、構造が論理的に設計されているうえに、標準的な機器モデルが用意されており、自動ルーティングにより一つひとつの配管ルートを手動で検討する必要がなくなります。
この「分かりやすさ」がチーム全体の導入をスムーズにし、短期間で効果を実感する大きな助けになりました。
また、MTOの抽出も非常にスピーディーになり、大きなメリットを感じています。
ラグナス: はい、これまで長年使用してきた従来型の3Dプラント設計プラットフォームをベンチマークとして比較しました。
経営の立場からは、常に工数を削減しつつ、スケジュールを守れるコスト効率の高いソリューションを求めています。
PlantStreamは、その目標を十分満たしていることが分かりました。
特にFEED業務では、コスト面でもスピード面でも大きな成果を上げています。
PlantStreamは工数の両面で高い効率性を実証しており、現在では社内プロジェクトだけでなく、クライアントへの提案にも積極的に活用しています。
今後も継続して使用し、クライアントにも導入を推奨していく方針です。
ラグナス: PlantStreamはもともと、最も工数を要していた配管設計で導入を始めました。
しかし、PlantStreamは土木、機械、電気、計装といった他の分野にも対応しているため、
わずか1~2名の設計者でマルチディシプリン設計(複数分野を統合した設計)が可能になりました。これは大きな改善でした。
近年は経験豊富な設計者を確保するのがますます難しくなっていますが、PlantStreamのおかげで少人数でも効率的にプロジェクトを進められます。
PlantStreamでは、設計者がモデル全体を効果的に管理でき、内蔵ライブラリとクラッシュ検出機能により、分野間の干渉もスムーズに確認できます。
その結果、設計プロセスがこれまでよりも速く、効率的で、チーム間の協力業務も活発になりました。
プニサ: PlantStreamで特に印象的だったのは、MTOを非常に短時間で作成できる点です。
FEEDやPre-FEEDのプロジェクトでは、スケジュールが2〜3か月程度と限られているため、手作業でのモデリングは非常に大変です。しかしPlantStreamを使えば、正確なMTOをわずか数週間で作成できるため、作業のリードタイムを大幅に短縮できます。
また、自動ルーティング機能やレイアウトの可視化機能も非常に役立ちました。
これらの機能によって、複数のレイアウト案を瞬時に検討でき、設計アイデアを分野横断的に、そしてクライアントにもより効果的に伝えることができるようになりました。
スリヴァツソン: PlantStreamチームからのサポートは非常に素晴らしいものでした。
設計チームは丁寧なトレーニングを受けたことで、自信を持って短期間でPlantstreamを操作できるようになりました。
導入プロセスもスムーズで、すぐに実務で効果的に活用することができました。
スリヴァツソン: 化学プラントやエネルギー関連の複数プロジェクトで使用しており、すべてのプロジェクトで予定通り、場合によっては前倒しのスケジュールでプロジェクトを完了することができました。
クライアントは自動モデリングの様子を実際に見て、そのスピードと精度に感心していました。
プニサ: また、浮体設備プロジェクトでもPlantStreamを活用しました。
FEED段階でのレイアウト提案時、効率性とビジュアルのわかりやすさが高く評価されました。
ラグナス: 現在はフィージビリティスタディやFEED段階で使用していますが、
将来的には他の3Dツールとのデータ連携をよりスムーズにし、EPCフェーズへと継続的に活用したいと考えています。
もしそれが実現すれば、
業界全体にとっても大きな変革になると考えています。
プニサ: 新しいソフトウェアの導入を躊躇する必要はないと思います。PlantStreamはFEED段階のモデリングだけでなく、詳細設計にも柔軟に拡張して活用できます。
実際に、エクスポート機能を通じてPlantStreamで作成したモデルを他の3Dツールに問題なく変換して使用することもできています。
ラグナス: PlantStreamは、早期かつ正確なコスト見積りを実現できる強力なツールです。
MTOの自動生成やレイアウト自動化によって、プロジェクト全体を通して経営層がより迅速かつ確信を持ってFID(最終投資決定)を下すことが可能になります。
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