米国大手EPCコントラクター S&B社におけるPlantStream導入事例を公開

プロジェクト遂行スケジュールを短縮する自動設計ツールとして評価
 ―― 初期設計・見積フェーズでの3Dモデリングと資材数量算出を大幅に効率化 ――

2025年10月17日

プラント自動設計ソフトウェア「PlantStream」が、米国を代表するエンジニアリングコント ラクターの一つである S&Bに導入され、ユーザーインタビューを、PlantStream公式サイトにて公開いたしましたのでお知らせいたします。

背景:EPC業界におけるスピードと精度の両立が課題に

プラント設計を担うEPC(Engineering, Procurement and Construction)業界では、近年プロジェクトの複雑化や短納期化が進み、設計初期段階でいかに早く・正確に方針を固められるかが大きな競争力となっています。

S&B社は、ミッドストリーム、化学、エネルギートランジション、製油、製紙など幅広い分野で約60年の実績を持つ米国有数のエンジニアリング企業です。
同社では、プロジェクト提案時に短期間で3Dモデルを作成し、レイアウト変更にも柔軟に対応できる仕組みの整備が求められていました。

こうした課題のもと、従来の手作業やスプレッドシートでの作業に代わる生産的な設計プロセスを実現するため、S&B社はPlantStreamを採用しました。

導入の決め手

S&B社では、提案から設計初期に至る短期間で複数の案をまとめ、関係者とすばやく合意形成を進める必要がありました。
しかし従来の手法では、2D図面への手作業の書き込みや複雑なデータ処理が多く、スピード面で大きな制約が生じていました。

Special Projects Engineering Solutionsチームを率いるエリック・ルーカス氏は次のように述べています。

「短期間で提案をまとめなければならない状況で、PlantStreamは戦略面で大きな武器になります」

S&B社がPlantStreamを採用した主な理由は次の3点です。

  • 短時間で“使える”3Dモデルを作成できること
    従来のツールに比べ、はるかに少ない工数で「実用的な」3Dモデルを作成可能。初期段階から高い精度でレイアウト検討を進められるようになりました。
  • 自動化と信頼性を両立できること
    数量算出(MTO)の検証で、既存手法と同等のMTO精度を再現できることを確認。自動化でも安心して利用できる信頼性が導入の決め手になりました。
  • 導入・運用が容易で、即戦力となること
    導入や運用の負荷が小さく、短期間で積算作業を進めるようなスピード感のある業務サイクルに最適でした。
導入の効果

導入後、S&B社ではPlantStreamの自動ルーティング機能(配管経路の自動生成)や数量算出機能を活用し、設計業務全体のスピードと生産性が飛躍的に向上しました。
従来の手作業と比較し、次のような成果が得られています。

  • 初期設計の期間を大幅に短縮
     数週間を要していた初期設計を数日で完了できるようになり、より多くの時間を付加価値の高い検討に充てられるようになりました。
  • 社内外での合意形成を迅速化
     3Dモデルと数量データを同時に生成できることで、関係者間の共有が容易になり、意思決定のスピードが向上。コミュニケーションコストも削減されました。
  • 提案スピードの向上と顧客満足度の向上
     これまで数週間かかっていた複数案の提示が数日で可能となり、クライアントへのレスポンスが迅速に。提案段階での信頼性向上にもつながりました。
  • 設計・積算チームの連携強化による効率化
     同じデータを活用して作業できるようになり、確認や再入力の手間が削減。部門間の連携がスムーズになりました。

ルーカス氏は次のようにコメントしています。

「モデリングスピードは大きなアドバンテージです。同じモデルから3Dイメージとレポートを同時に生成できることは大きな強みです」

PlantStreamの役割と今後の展望

S&B社では現在、PlantStreamを初期設計および見積フェーズの標準ツールとして定着させる取り組みを進めています。

今後は構造鉄骨設計や電気トレイ設計との統合にも拡大し、ヒューストンとインドの設計拠点を連携させて24時間体制での設計サイクルを実現する計画です。
この仕組みにより、グローバルなチームが時差を活かして設計作業を引き継ぎ、常に最新のモデルを共有できる体制を構築しています。

PlantStream®︎について

PlantStream は、千代田化工建設株式会社との共同開発により誕生したプラント設計自動化ソフトウェアです。 配管レイアウトの自動生成や資材数量の自動算出を通じて、設計にかかる時間を数週間から数時間へと短縮します。 初期設計からFEED(基本設計)、見積フェーズに至るまで、スピードと精度を両立した設計環境を提供しています。
現在、国内外のEPCエンジニアリング業界企業を中心に導入が進んでいます。